小・中学生が毎日めちゃくちゃ重いカバンを持って登下校しています。
本当に由々しき問題です。
毎年却下された提案
教員時代、私のところに何人かの保護者の方が相談に来ました。
「息子のカバンが私でも持てないぐらい重い」
「測ってみたら10kg近くあった。あんな重いものを毎日持って登下校しているのか」
などなど。
このような声を受けて、職員会議でも「荷物が重すぎる。持ち帰りの規則を緩和してほしい」と何度も訴えてきました。
しかし、提案は毎年却下。
「教科書を持って帰るのは当たり前、持って帰らせないと勉強しなくなる」
というのが一番多い意見でした。
そんなことってありますか??
普段勉強しない生徒が
「あっ、今日、教科書を持って帰ってきたから勉強しよう!」
なんて、なると思いますか??
そもそも勉強しない生徒は教科書があろうがなかろうが勉強しません。
勉強をコツコツ頑張っている生徒は、だいたい自前のテキストや問題集を持っています。
小中高大と真面目一筋で生きてきた先生方は、教科書で予習復習していたのかもしれませんが、そうでない生徒もたくさんいるはずです。
そこを理解してほしい。
子どもは順応力が高い
この問題がなかなか解決しない理由のひとつとして、
「子どもは受け入れる力が強い」ということが挙げられます。
例えば、日常的に虐待を受けている子どもは自分が虐待を受けていることに気づきません。
まだ何も知らない子どもたちにとっては、周りの大人が全てなのです。
こわーい先生に「教科書は毎日全部持って帰りなさい。それがきまりです」
と言われたら、いきなり反論する生徒はなかなかいません。
入学時からそれが当たり前になっていたら、生徒は何の疑問も抱かずに毎日それを繰り返します。
要領の良い子は学年が上がるにつれて自分で適当に判断して、怒られない程度に荷物を置いていったりできるのですが、真面目な子や判断力が低い子ほど毎日重い荷物を持って帰っています。
適切な判断力を育てるのも教育の課題のひとつです。
画一的な変な規則を押し付けるのではなく、