講演や会議などの際、レジュメを配ってもらえると「あぁ親切だな」と感じ、少し安心しますよね。
人はなぜレジュメを提示されると安心するのか。
今日はそのことについて書きます。
レジュメとは?ロードマップとは?
レジュメとは内容の『要約』のことです。
会議等で配られる場合はその会議の目次のようなものです。
最近は『ロードマップ』という言葉もよく使われます。
ロードマップとは、案内図のことです。
「今日はこんな順番で、こんなことをやりますよ」ということを箇条書きで示したものです。
まぁレジュメもロードマップも同じようなものだと思って差し支えないでしょう。
↓こんな感じのものですわ。
先を見通せないのは不安
人は『見通しが立たない』ことに対してとても不安を感じます。
会議の際に事前にロードマップを配ってもらえると、先が見通せます。
だから安心するのです。
会議や講義でロードマップが無い状態というのは「なんとなくこっちの方向に行けばなんとなくレストランがありそう」というような感じで知らない街を歩き回っているようなものです。
どこに行くのか、本当にたどり着けるのかもわかりません。
これはとてもコワイし、ストレスを感じる状況です。
ロードマップは「今日はこういう道順で進んで、こういうレストランに行きますよ」と示してくれるものです。
これがわかっているだけでとても安心感があるのです。
また途中で少し道に迷ってしまっても、ロードマップを見れば「いまここだな」とすぐに確認することができます。
聴覚情報では複雑な情報は追えない
教育の世界では黒板に書いたり、掲示したりして、課題や発問を目に見える形にしたり、意見を整理したりすることを『視覚支援』といいます。
授業をする際になぜ黒板を書くかというと、それは視覚支援のためです。
複数あるようなことを教える時には、話だけでは理解しきれない場合が多いのです。
黒板やプリントなど視覚的な支援なしに、トークだけで授業を行ったとしましょう。
私の体感では、その授業について来ることができる生徒は30%以下です。(中学生の場合)
聴覚情報だけでは複雑な情報は追い切れないのです。
同じ話でも黒板やプリントに概要をメモしてあげるだけで、ついて来られる生徒はグンと増えます。
聞き手と話し手でロードマップを共有する
ロードマップを用意することは話し手にとっても役立つことです。
話が横道にそれることを防いでくれるからです。
話が横道にそれた場合にそれを自覚させてくれる、と言った方が正しいかもしれません。
ロードマップは話の筋道を示してくれるものです。
ロードマップがあれば、話し手と聞き手が同じ方向に向かって進んでいけるのです。