朝、通勤する時に、ものすごい勢いで他の車を追い越していったり、強引に割り込んでくる車をよく見かけます。
そのたびに私は思う。
「あぁ、あの人、箱に入っているな。自分も気を付けなくては・・・」と。
『箱に入る』とは、最近話題を呼んだ『自分の小さな「箱」から脱出する方法』という本の中で紹介されている考え方です。
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箱に入っているとはどういうことなのか? 今日は『自分の小さな箱から抜け出す方法』をお教えしましょう。
『相手の都合』を考慮できなくなってしまう
車の運転をしていると無理矢理割り込んできたり、威嚇するかのようにエンジンをふかしたり、 「どけよ!くそっ!邪魔なんだよ!」とでも言いたげに露骨にイヤな顔をしたりする人をよく見ます。
まぁ気持ちはわからんでもありません。
急いでいるんだろうなーと思います。
こういう人はたいてい『相手の都合』ということが頭から抜け落ちてしまっています。
私も急いでいるけど、相手も急いでいる。
私は急いでいるけど、相手は安全運転を心がけている。
・・・ということを考えられない状態になってしまっています。
こういう状態を『箱に入っている』という。
自分の周りに壁をつくって、相手の都合や気持ち、状況が見えなくなってしまっているのです。
私は疲れているんだ・・・!
電車で座席に座っている時、ひとりの老人が同じ車両に乗ってきたとします。
心ある人はここでサッと座席を譲ります。
しかし『箱に入っている』人はこんな時こうする。
・いかにも忙しそうに携帯をいじり、老人に気付かないふりをする。
・寝たふりをする
・不機嫌そうに眉間にしわを寄せうつむく
そして、自分にこう言い聞かせる。 「私は疲れてるんだ・・・!今日も1日働きづめでようやく席に座れたんだ。サッサと誰か席譲れよ!」
皆さんもこんな経験はないでしょうか??
私も箱に入っていた
実は私は何度も上記のような経験があります。
車で割り込んだり、強引に追い越したりしたこともあります。
私も箱に入っていたのです。
自分の周りに壁をつくり、相手の都合も考えずに、自分の主張ばかりが正しいと思っていたことがあります。
今でも気を付けていないといつの間にか箱に入ってしまいます。
実は最近もいつの間にか箱に入っていました。
勤務先が変わり、新しい人と出会い、新しい環境で働きはじめたのがきっかけです。
新しい学校には新しい学校なりの理由があり、都合があり、積み重ねがあるのに、いつの間にか「なんでこんなやり方なの・・・?前の職場はよかった」と心の底で思ってしまい、箱に閉じこもってしまっていたのです。
自分が箱に入ると相手も箱に入る
相手の都合も考えず、自分中心に考えているとどうなるか?
相手も箱に入ってしまうのです。
あなたが相手のことを認めていないのは、相手にも伝わります。
人は『自分が相手からどう思われているか』を感じ取る力を持っているのです。
だからあなたが相手のことを認めていなければ、相手も敏感にそれを感じ取り、あなたとの間に壁をつくります。
周囲が私にだけ冷たい・・・そう思っているあなた。
実は箱に入っているのはあなたの方かもしれません。
相手を人として認めよう
では箱から出るにはどうしたらよいか?
それには、まずは箱に入っていることに気付くことが必要です。
『自分の小さな「箱」から脱出する方法』によれば、それだけで箱から出られるとのこと。
また私は『相手を人として認める』ということが大事だと思います。
人として認める、というと語弊があるかもしれませんが、 つまり、相手はあなたの思い通りに動く人形じゃない、ということを再度自覚しよう、ということです。
相手は人なのです。
相手には相手の都合があります
あなたの思い通りにはいきません。
それを思い出し、相手を人として認めましょう。
そうすれば、お互い箱から出て、良好な人間関係が築けるはずです。