筋肉を増やしながら脂肪を減らすというのはかなり困難です。
筋肉は脂肪と一緒にしか増えないし、脂肪を減らそうと思えば筋肉も減ってしまうからです。
カタボリックとアナボリック
体の組織が新しくつくられる状態のことを「同化(アナボリック)」といいます。
逆に体の組織が分解される状態のことを「異化(カタボリック)」といいます。
摂取した栄養量が多ければ、アナボリック状態になります。
余剰エネルギーを使って、筋肉や脂肪が合成されている状態です。
足りなければカタボリック。
筋肉や脂肪を分解して栄養を補おうとしている状態です。
人体はアナボリックとカタボリックを繰り返しています。
常にどちらかの状態にあります。
なので、筋肉のみ増やして(アナボリック)、脂肪のみ減らす(カタボリック)というのはとても困難なのです。
肥満の人は両立可能
肥満気味の人についてはすでにエネルギーが余剰な状態なので、筋トレをしていけば筋肉がとても増えやすいようです。
いまある脂肪をエネルギーとして使えるので、筋トレをしながら摂取カロリーを減らしていけば、脂肪を減らしながら筋肉を増やすことは可能なようです。
※ただし、効率的なのは有酸素運動で脂肪を減らしてから、筋トレをして筋肉をつける方法です。脂肪を減らす際には筋肉も減少してしまいますが、短期的に見た効果はこちらの方が出やすいです。
長期的に見れば可能
筋肉を増やしながら脂肪を減らすと言うことは、短期的に見ればかなり困難です。
しかし、長期的に見れば不可能ではありません。
(効率は悪いですが)
脂肪が少しずつ減っていくように摂取カロリーをきちんと計算しつつ、筋肉が減らないように筋トレを続けるという方法です。
筋トレをしてしばらくは成長ホルモンの分泌が多くなり、脂肪が分解されやすい状態になります。代謝が上がっている状態です。筋トレ後、約48時間はそういう状態が続くようです。
これを利用すれば、筋トレによって日常生活の中での消費カロリーを増やすことができます。
これによって、少しずつ筋肉を増やしつつ、少しずつ脂肪を減らすことができます。
ただし、この方法はもともと筋肉量が少なく、まだまだ筋肉の増える伸びしろが多い人向けの方法です。ある程度、筋肉がついている人はこの方法は使えません。
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石井直方の筋肉まるわかり大事典
石井 直方 ベースボール・マガジン社 2008-11-22
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