良い商品をつくれば売れるとは限りません。
顧客が求める商品をつくり、その情報を届け、商品が売れるようにするには『戦略』が必要です。そのために行う活動のことを『マーケティング』といいます。
私はマーケティングについては素人ですが、これって商品だけでなく、人についても同じだと思います。
技術や知識を高めても、人から評価されるとは限らない。
それをいかに他の人に届けるか?ということが大事です。
最近、マーケティングについて、おもしろい本を読みました。
佐藤義典氏著「白いネコは何をくれた?」という本です。今日はその中で紹介されている『戦略BASiCS』という考え方について紹介します。
白いネコは何をくれた?
![]() |
白いネコは何をくれた?
佐藤 義典 フォレスト出版 2008-10-21
|
人の言葉をしゃべる白猫ボロがさえないサラリーマン実直にマーケティングの基礎を教授していく、というストーリーを通して、マーケティングについて学べる本です。
あるブログを読んでいてこの本のことを知りました。
ただ奇をてらった設定だけでなく、内容もしっかりした本で、マーケティングの入門書としてはピッタリの本です。
戦略マーケティングBASICS
戦略マーケティングBASiCSとは以下の5つの柱から成るマーケティング論です。
Battlefield=戦場・競合: どこで誰と戦っているのか?
Asset=独自資源: 自分は誰か?自分らしさとは何か?
Strength=強み・差別化:自分にしかできないことは何か?
i : 語呂合わせ
Customer Segment=顧客:自分は誰と共にいたいのか?
Selling Message=メッセージ: 自分は誰だと世の中に宣言するのか?
Battlefield=戦場・競合: どこで誰と戦っているのか?
戦略BASiCSで一番初めに考えることは、「どこで誰と戦っているのか?」「どこで誰と戦いたいのか?」ということです。
「どこで」と「誰と」はセットで考えるべきだそうです。
なぜなら、例えば自動車産業で考えた時、「どこで?」が国内なら「誰と?」国内の自動車メーカーということになり、アメリカならアメリカのメーカーと戦うことになるからです。
どこで、誰と戦うかによって、取るべき戦略は全く異なってきますから、まずは戦場・競合を明確にすべきです。
個人の場合は「どこで誰と戦えるのか?」ということも考えていく必要があります。
Asset=独自資源: 自分は誰か?自分らしさとは何か?
独自資源とは、次の「強み・差別化」を生むための源泉となるものです。
例えば、ひとつひとつ職人の手作り、優秀な人材、独自のノウハウ・知識など。
これらは突き詰めていくと、「この会社らしさ」「自分らしさ」につながっていきます。つまり創業理念や自分の生きてきた道です。
独自資源を基盤として、他者に負けない「強み」が生まれてきます。
Strength=強み・差別化:自分にしかできないことは何か?
「強みを活かして戦う」はマーケティング戦略の基本中の基本だそうです。
強み・差別化の方法として、次の3つが挙げられています。
- 手軽軸…近い、速い、簡単、便利、安いという強み
- 商品軸…高品質、最新、高価格という強み
- 密着軸…顧客のニーズに密着する、顧客の要望に合わせてカスタマイズする
これらのどれか1つにしぼって、徹底的に差別化を図ることが大事だそうです。
また「強み」は前述の2項目とも大きく関連してきます。
強みが活かされる戦場で戦わなければ勝てません。
また、独自資源に基づいた強みでなければ、すぐにマネされてしまって終わりです。
強みを掘り下げていくことで、前述の2項目もより明確になってくるでしょう。
Customer Segment=顧客:自分は誰と共にいたいのか?
ターゲットを絞るということです。
マーケティングにおいては、ターゲッティングが一番大切なのだとか。
これも前述の項目と大きく関わってきます。
子ども向けなのか、大人向けなのかによって、戦う場所も相手も、売り出すべき強みも大きく変わってくるからです。
Selling Message=メッセージ: 自分は誰だと世の中に宣言するのか?
以上のようなことを考えてもそれが顧客に伝わらなければ意味がありません。
・誰(「競合」)と比べて
・「独自資源」に基づいたどんな「強み」を
・どんな「顧客」に届けたい!
というメッセージを、顧客に伝えることが大事です。つまり、前述の4項目を練っていくことによって、伝えるべきメッセージもおのずと決まってくるということです。
![]() |
白いネコは何をくれた?
佐藤 義典 フォレスト出版 2008-10-21
|
『マーケティング』の本ははじめて読んだのですが、とてもおもしろかったです。他の本も読んでみます!