「私はこれで痩せました!」
私もよくこのキャッチコピーにだまされたものです。
しかし、皆さん、こんなものにだまされてはいけません。
試行回数が少ないにも関わらず、そこに法則性があると思い込んでしまうことを『小数の法則』と言います。
『小数の法則』は、私たちが犯しがちな代表的な判断エラーです。
小数の法則とは?
小数の法則とは
試行回数が少ないにも関わらず、そこに法則性があると思い込んでしまうこと
です。
例えば、宝くじを10枚買ったら1枚当たったとします。
あなたはここで、「この宝くじは1割の確率で当たる」と考えるでしょう。
これが小数の法則です。
たった10回引いただけで、宝くじの勝率など導き出せるはずがないのです。
また他の例で言うと、よくTV番組で3人ぐらいの被験者を対象に実験を行い、「この仮説は正しかった!」などと紹介しています。
たった3人の実験で仮説の実証などできるはずがないのです。
でも、私たちはこういうことを信じ込んでしまいがちです。
個人の体験ではなく、統計データを!
「私はこれで痩せました!」
というのは、このような人間の認知傾向を利用した手口です。
ダイエット商品に効果があるかどうかなんて、「私はこれで痩せました!」ぐらいで判断できるはずがないのです。
ダイエットは科学的なものですから、個人の体験はそんなにあてになりません。
それよりも統計的なデータがあり、科学的な実験がきちんと行われているかどうかの方が大事です。
なぜ個人の体験があてにならないのか?
以前、TV番組で『食べる順番を変えるだけダイエット』というのを紹介していました。
食べる順番を変える『だけ』で痩せられるというダイエット方法です。
(具体的には、繊維質→たんぱく質→炭水化物の順で食べる)
トレーナーの指導のもと、芸能人が『食べる順番を変えるだけダイエット』に励んでいるのですが、これが全然、食べる順番を変える『だけ』ではないのです。
1人目はダイエットをはじめてから、毎日1時間ぐらい歩くようにしていました。
2人目はジムに通い始め、専門家の指導まで受けていました。
全然、食べる順番を変える『だけ』ではなかったのです。
個人の体験というのは、往々にしてこういうことが起こりがちです。
「これで痩せました!」と言いつつ、他のこともやっていたり、たまたま個人の体質にあっていたり(逆にあわなかったり)して、痩せただけなのかもしれないのです。
だから、ダイエットにおいては個人の体験はそんなに信じるべきではないのです。