『経済は感情で動く― はじめての行動経済学』という本を読んでいます。
まだ読み始めたばかりなんですが、これ、めちゃくちゃおもしろいです。
今日はその中身をちょっとだけレビューします。
![]() |
経済は感情で動く―― はじめての行動経済学
マッテオ モッテルリーニ 紀伊國屋書店 2008-04-17
|
経済は『不合理』で動いている
同じ品物ならば、高い商品より安い商品を買う。
同じ値段ならば、よりよい品質のものを買う。
拾った10000円も、バイトで稼いだ10000円も価値は同じ。
経済は一見、合理的に動いているように見えます。
しかし、経済活動における人々の選択は実はものすごく不合理で、感情的です。
2002年にノーベル経済学賞を受賞したイスラエルのダニエル・カールマンも「人間は経済活動において必ずしも合理的な選択をする訳ではない」ということを証明しています。
ダイエットをしているのに、「今日だけは・・・」と言って甘い物を食べてしまう。
私たちは経済活動においても、無自覚のうちにそんな不合理な選択しがちなのです。
次のその具体例を紹介しましょう。
1000円の価値は一定ではない
【問1】
友だちと買い物に行った時に、とても素敵な1万円の洋服を見つけました。
あなたがその洋服を手にとってレジに並んでいる時に、別のお店を見て回っていた友だちがこう言いました。
「歩いて5分ぐらい行ったところにあるお店で、同じ洋服が9千円で売ってたよ!」
あなたはどうしますか?
【問2】
友だちと買い物に行った時に、前からほしかったパソコンが20万円で売っているのを見つけました。
あなたがそのパソコンを手にとってレジに並んでいる時に、別のお店を見て回っていた友だちがこう言いました。
「歩いて5分ぐらい行ったところにあるお店で、同じパソコンが19万9千円で売ってたよ!」
あなたはどうしますか?
多くの人は【問1】の場合は、他のお店に行くと答えるそうです。
しかし、【問2】の場合は、そのままそのお店で買うと答える人が多いそうです。
どちらも同じ1000円引きなので、どちらも他の店に行けば1000円得します。
合理的に考えるならば、どちらの場合も同じ行動をとるのが正解です。
しかし、多くの人は、元の商品の値段によって、判断を誤ってしまうのです。
スーパーで1円でも安い食品を探して時間をつぶす一方で、バーゲンセールで何万円分も浪費してしまうのも、これと同じ心理です。
![]() |
経済は感情で動く―― はじめての行動経済学
マッテオ モッテルリーニ 紀伊國屋書店 2008-04-17
|
とてもおもしろい本です。早く続きが読みたい!