私たちは日々、なにかについて考え、アイデアを出したり、企画を練ったりしています。
アイデアや企画を出すことが仕事だという方も多いでしょう。
仕事に限らず、趣味や遊び、日常生活でもアイデアを出す場面はたくさんあります。
なのに…どうやって考えれば良いのか?その方法を具体的に知っている人はとても少ないのが現状です。
今日紹介する加藤昌治氏の『考具 ―考えるための道具、持っていますか?』は、
具体的にどんなツールを使って、どうやってアイデアを出していけば良いか?を教えてくれる本です。
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考具 ―考えるための道具、持っていますか?
加藤 昌治 阪急コミュニケーションズ 2003-04-04
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考えるための道具『考具』
”本当なら電話やパソコンと同じように、考えるための道具もあってしかるべきです。
考えるための道具、あります。
考えるための道具、それを『考具』と呼んでみましょう。
この本の中で、加藤氏は考具について、こう定義付けています。
そして、21の考具を紹介しています。
私が特に「これは使える!」と思ったのは以下の4つ。
・マンダラート
・オズボーンのチェックリスト
・ブレーンストーミング
マンダラート
マンダラートは最近注目されているツールです。
下のような9マスの枠を用意し、その中央にテーマを書きます。
そして、テーマの周りにある8つのマスに、連想するキーワード、思いついたことを書いていくのです。
(さらにその先もあるのですが、とりあえずここではこの程度の説明にしておきます)
マインドマップとの違いは、マインドマップの方が自由度が高いこと。
自由度が高いということは、逆に言うと、考えが広がらない可能性もあるということです。
マンダラートならば、枠の数が決まっていますから、少なくとも決められた数のキーワードは出てきます。
この形式をうまく生かせれば、新たなアイデアを発見することができるでしょう。
オズボーンのチェックリスト
アイデアが行き詰った時に使えるチェックリストです。
そのアイデアについて、以下の9項目をチェックしていきます。
・転用したら?…現在の形のままでの新しい使い道は?
・応用したら?…似たものはないか?
・変更したら?…意味、色、形を変えたらどうなる?
・拡大したら?…大きく、長く、頻繁に、時間を延ばしたら?
・縮小したら?…小さく、短く、軽く、短時間にしたら?
・代用したら?…代わりになる人や物は?
・置換したら?…入れ替えたら?
・逆転したら?…上下、役割などを逆さまにしたら?
・結合したら?…合体させたり、混ぜ合わせたら?
これはなにかを生み出したり、創ったりする仕事(クリエイティブクラス)の人は、ぜひ覚えておきたいチェックリストです。
ブレーンストーミング
何人か集まって、付箋や紙に、自由にアイデアを書き、出し合っていくことをブレーンストーミング(ブレインストーミング、ブレスト)といいます。
基本ルールは以下の4つ。
1.他の人の発言を批判しない
2.自由奔放な発言歓迎
3.質より量
4.他人のアイデアに便乗する
このルールは比較的良く知られています。
加藤氏はこれに加えて、IDEOというアメリカの会社が考えた『7つの秘訣』をプラスするとさらにブレストが充実すると紹介しています。
- 焦点を明確にする
- 遊び心のあるルール
- アイデアを数える
- 力を蓄積し、ジャンプする
- 場所は記憶を呼び覚ます
- 精神の筋肉をストレッチする
- 身体を使う
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考具 ―考えるための道具、持っていますか?
加藤 昌治 阪急コミュニケーションズ 2003-04-04
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アイデアを出すことを仕事としている人は、ぜひお勧めしたい1冊です。