2012年の衆議院議員選挙では自民党が民主党に圧勝し、維新の会が大躍進しました。
このような日本の政治情勢に対して、一部マスコミや中国、韓国は「日本が『右傾化』している」と批判しています。
『右傾化』していると言われても、『右傾化』って一体なんなのか?説明できる人は意外と少ないと思います。
今日は「日本の『右傾化』」について解説します。
そもそも右翼と左翼とは?
『右傾化』というのは、『右翼的な政治思想に傾く』ということです。
『右翼』の反対は『左翼』です。
誤解を恐れず、ざっくり説明すると、右翼は保守主義・伝統主義、左翼は社会主義・共産主義です。
フランス革命後の議会の右側席に保守主義・王政主義の人たちが、左側席に急進主義・革新主義の人たちが座っていたため、こう呼ばれるようになったそうです。
しかし、右翼にも左翼にも過激派と呼ばれる人たちがいます。
右翼の場合は、国家主義、ファシズム、軍国主義などの考え方がそれに当たります。
左翼の場合は、共産主義の過激派、革命主義、反国家主義などです。
過激派の人たちは、暴力や恐怖で物事を解決しようという傾向があります。
例えば、自分たちの考えに反する意見を表明した人やマスコミに対して、銃弾を撃ち込んだり、デモ行進で取り囲んだり、という事件もありました。
そのため、右翼や左翼というと怖いイメージがあるのです。
ですが、基本的には世の中の政治思想は右翼的な考えか、左翼的な考えか、どちらかに分けられます。別に怖いものではありません。
日本は15年前までは『1億総左翼』だった
日本は約15年前までは、ほとんどの人が左翼的な政治思想を持っていました。
日本が太平洋戦争に敗北し、戦後教育によって、愛国心や国家主義的な考えを徹底的に否定されてきたからです。
「日本はとても悪いことをしたから、反省し、アジアに謝罪し、二度と悪いことをしないように平和憲法を守り続けなければならない」というようなことを、学校教育の場で教え込まれてきたのです。
学校も、文部省も、政治家も、マスコミも、こぞって日本のあやまちを喧伝してきました。
「南京大虐殺は本当にあったのか?」と言えば、マスコミから袋叩きに合うような異常な状況でした。
これによって、日本人は軍事アレルギー、国家アレルギー、右翼的なものに対するアレルギーの状態におちいっていました。
諸外国の例を見ても、愛国心や自国の歴史が徹底的に否定され、国防について語ることもタブーなんていう状況は異常な状況です。
日本はまさに『1億総左翼』だったのです。
右傾化も良くないかもしれないけど、左傾化も良くない
さて、現在はこのような状況もだいぶ様変わりしつつあります。
1990年代後半から『新しい歴史教科書をつくる会』や小林よしのり氏によって戦後の歴史観を見直そうという動きが起こり、その活動が注目を集めたからです。
その後、石原慎太郎前東京都知事の人気、小泉純一郎元首相の靖国神社参拝などにより、歴史観見直しの動きは一般にも広く知られることとなりました。
自民党の安倍総裁はネット上でとても人気があるといいます。
それはネトウヨ(ネット右翼)と呼ばれる、右翼的な思想を持つネット住民たちが安倍総裁のことを支持しているからだとか。
現在、「日本は『右傾化』している」と言われていますが、私は左に振り切れていた振り子が真ん中に戻ってきただけだと考えています。
戦前のように極度に右傾化するのはよくないと思いますが、15年前のように極度に左傾化している状況も以上です。
左傾化からの振り戻しは当然の結果です。