来年こそはノーベル文学賞!!私が考える村上春樹の3つの魅力

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ノーベル文学賞を期待されていた村上春樹氏でしたが、今年も惜しくも受賞を逃してしまいました。

実は私は村上春樹氏の大ファン、いわゆるハルキストです。
今日は私が考える村上春樹氏の3つの魅力を紹介します。

 

【魅力1】何となく生きにくさを感じている主人公への共感

村上春樹氏の作品の主人公は何となく生きにくさを感じています。

そこに私たちは自分を投影します。

いま、私たちはどこか生きにくさを感じながら生きています。
特に青年期には、誰もが行く先の見えない不安に襲われた時代を経験したはずです。

村上作品を読んでいるといつの間にか、世の中に戸惑い、生き迷い、ただたたずんでいたあの頃にすーっと引き戻されたような感覚を覚えます。

それは、決して「社会に対して憤る」というような強い感情ではありません。
結論を先に引き延ばしたい、何となく生きたい。
そんなはかない感情です。

私たちは村上作品の主人公に共感を覚え、そんな感情を思い出します。

 

【魅力2】突拍子もない比喩

村上氏の小説はこねくり回すような文章が特徴的です。

窓の沢山ついた大きな建物で、アパートを改造した刑務所かあるいは刑務所を改造したアパートみたいな印象を見るものに与える。
(ノルウェイの森より)

そして、こねくり回した文章の要所に、突拍子もなく、かつ超印象的な比喩が飛び出します。

普通はアパートを見て『刑務所』という比喩は使わないものですが、この比喩が文章のスパイスとなり、情景をありありと伝えてくれます。

また他にも

目が覚めたとき、空白の中にいた。自分がどこにいるのかわからなかった。僕はしばらくのあいだ、しなびた野菜みたいに無感覚だった。
(レキシントンの幽霊より)

自分の年齢さえわからない。自分に本当に年齢があるのかどうかさえ知らない。
氷男は暗闇の中の氷山のように孤独だった。
(氷男より)

というような印象的な比喩がたくさん出てきます。

 

【魅力3】常に卵の側に

すごくチープな表現しかできないのが口惜しいのですが、村上春樹氏は、人間の脆さ、弱さをありのままにとらえ、そのはかない美しさを描ける小説家です。

村上氏はエルサレム賞という小説賞を受賞した際のスピーチで以下のように述べています。

私たちは皆、多かれ少なかれ、卵なのです。
私たちはそれぞれ、壊れやすい殻の中に入った個性的でかけがえのない心を持っているのです。わたしもそうですし、皆さんもそうなのです。
そして、私たちは皆、程度の差こそあれ、高く、堅固な壁に直面しています。その壁の名前は「システム」です。「システム」は私たちを守る存在と思われていますが、時に自己増殖し、私たちを殺し、さらに私たちに他者を冷酷かつ効果的、組織的に殺させ始めるのです。

私が小説を書く目的はただ一つです。
個々の精神が持つ威厳さを表出し、それに光を当てることです。小説を書く目的は、「システム」の網の目に私たちの魂がからめ捕られ、傷つけられることを防ぐために、「システム」に対する警戒警報を鳴らし、注意を向けさせることです。

【村上春樹】村上春樹エルサレム賞スピーチ全文(日本語訳) : 47トピックス – 47NEWS(よんななニュース)

私たちは個性的でかけがえのない心を、壊れやすい殻の中に包んだ卵です。
その心は社会や国家などのシステムの網の目に傷つけられてしまいがちです。

村上氏は常に卵である弱い私たちのかたわらにいて、小説の力でその繊細な魂を守り、光を当ててくれるのです。

 

おすすめの村上作品

村上 春樹 講談社 2004-09-15
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村上 春樹 新潮社 2009-05-29
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とりあえずこの2作品は鉄板です。この作品から村上ファンになる人も多いようです。

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