誠意は必ず伝わります。
なぜなら人は
相手の思いを感じ取る力
を持っているからです。
相手の思いを感じ取る力
意外と見落としがちなことだが、人は「相手からどう思われているか?」ということを感じ取る力を持っています。
だから、相手のことを嫌って、相手との間に壁をつくっていれば、相手もあなたとの間に壁をつくります。
このことについては少し前に話題になった『自分の小さな箱から脱出する方法』という本でも紹介されています。
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だから、自分が「相手から認めてもらえない」「嫌われている」「心を開いてくれない」と思う方は、まず「自分はどうか?」と考えてみるべきです。
思いは伝わる
例えば、こんなことがありました。
私があるクラスの担任をしていた時の話。
そのクラスはとても落ち着いたクラスでした。
しかし、私は担任として、
「最初が肝心!なめられてはいけない!!なにか悪いことをしているのを見つけたら毅然とした態度で叱らなきゃ・・・!」
という思いを持っていました。
それ自体は別に悪い感情ではなく、担任としての責任感から生まれた思いでした。
しかし、そのクラスは落ち着いたクラスだったため、なかなか強く怒るような機会はやってきませんでした。
そして私は次第に生徒のアラを探すようになっていました。
いつの間にか、「なにか怒る機会はないか?」と、自ら怒る機会を探してばかりいるようになっていたのです。
当然、生徒の心は離れ、落ち着いてはいるものの暗い雰囲気がただよう教室になっていました。
誠意は伝わる
相手に悪い感情や思いを抱いていれば、それは必ず伝わります。
しかし逆に言うとこれは、良い感情も相手に伝わるということでもあるのです。
例えば、『誠意』『承認』『優しさ』などの感情です。
先ほどの話の続き。
私はある時、自分が生徒のアラ探しをし、怒る機会を求めていることに気付きました。 なぜ気付いたのかというと、生徒が私の機嫌を伺うような顔をしているのを見たからです。
生徒のために、と思っていたのが、いつの間にか怒ることしか考えていなかったのです。
私は自分を恥じました。
そして、それからなるべく『生徒と笑顔で接すること』『細かいことで怒らないこと』『声をかけること』を心がけました。
それよりも何よりも、まずはその生徒たちを全面的に認め、好きになり、誠実に生徒と接しようと思いました。
そんな風に考えて生徒に接して、1ヶ月。
生徒たちは次第にこちらを向いてくれるようになっていきました。
そう。
誠意も必ず伝わるのです。